東京都文京区、東京メトロ丸ノ内線茗荷谷駅徒歩1分の立地にある私立中高一貫校「貞静学園中学校・高等学校」

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貞静学園短期大学 貞静幼稚園

~心のビタミン…~

|学校長ブログ|

今回は、『蜜蜂と遠雷』(恩田陸著 幻冬舎)

から「本当に音楽が好きかを確かめ合う二人のやり取り」の場面を抜粋して紹介したいと思います。

 

 

※舞台…第6回芳ヶ江国際ピアノコンクール

※物語…4人の天才ピアニストたちが見せる音楽の世界

※登場人物:かつて神童と謳われた栄伝亜夜(えいでんあや)…(おねえさん)

※登場人物:養蜂家の父と各地を転々としている謎の少年、風間塵(かざまじん)…(僕)

 

 

 

「おねえさん、ピアノ好き?」

あたしは素直に頷く。そっと、彼が弾いているピアノを撫でる。

「ええ、好きよ」

風間塵は、微笑んだまま、鍵盤に目をやる。

「どのくらい?」

「さあね。どのくらいか言えないくらい、好き」

「本当に?」

彼は、悪戯っぽい笑みを浮かべ、ショパンのメロティを楽しげに奏でる。

「何よ、それ。本当じゃないと思ってるの?」

亜夜は軽く風間塵を睨む。

「さあね。迷ってるみたいに見えたから」

亜夜はハッとする。

「そんなふうに見えた?」

「うん。ステージの上ではそうじゃないのに、ステージから降りるといつも迷ってるみたいだった」

亜夜は絶句する。見抜かれていた。そう思う。

「僕はピアノ好きだよ」

「どのくらい?」

今度は亜夜が聞く。

「そうだなあ」

風間塵は、ちらっと宙を見上げた。

「世界中にたった一人しかいなくても、野原にピアノが転がっていたら、いつまでも弾き続けていたいくらい好きだなあ」

世界にたった一人。

(略)

「誰も聴く人がいなくても?」

「うん」

(略)

「(略)おねえさんだって、世界にたった一人きりでもピアノの前に座ると思う」

「あたしが?」

亜夜はもう一度周囲を見回した。

どこかから吹いてくる風は、暖かかった。亜夜は髪をかき上げる。

「うん。絶対そう」

「そうかしら」

「そうだよ」

風間塵は笑った。

 

この場面には、二人の「共感性」とか「しとやかさ」とかそういう心地よい肌感覚のようなものを感じました。それはまた、学校生活の中で生徒たちが様々な場面で味わっている「心の通い」というもののようにも思いました。

しかし今は、課外活動などを制限せざるを得ない状況です。しかも学校再開は先月でした。

 

にもかかわらず、私には文学などに親しむことを1ミリほど願う気持ちがあります。

 

「えっ!」

 

目標に向かって挑戦しているからこそ「心のビタミン」は必要、ですよね。

 

…みんなで登山